久坂みちるの““機関””世界における主人公その2。ただの猪突猛進の面倒なアラサー男性かと思いきや、誰より状況を理解して歯を食いしばって耐えていたりする、より面倒な男。ヒロイン枠。
カリフォルニア州ロサンゼルス郡の日系人の多い都市に居を構える、裕福な起業家の一人息子として生まれた。日本人の祖母を持つが、自身は日系人としてというよりはアメリカ人としてのルーツの方をより強く意識していたようである。幼い頃は正義感が強く、海兵隊に憧れたりするような少年だった。
ある年に世界的な恐慌の煽りを受けて多数の企業が倒産、ナオザトの父の事業も失敗し一家は多額の借金を背負うこととなる。父の事業を継ぐ予定で別の日系人企業にて修行中の身であったナオザトは退職し、意気消沈する父に代わって家を引き払い、家族を率いて物価の高い都市を出る。
金銭的には困窮しても幸い培った技術だけは残ったので、引っ越した先の治安の悪い街で、父と共にギャング相手に武器や義体等の修理を担うモグリの整備屋を細々と営みながら借金を返していた。
ある日、全身義体の男が行き倒れとして担ぎ込まれたので助けてやると、その男が偶然にも““機関””の調査員であった。男はナオザトの技術に目をつけてスカウトする。当初はその高邁な思想を疎み断ったナオザトだったが、後に給与を伝えられてあっさりと承諾、26歳で““機関””の技師となる。
27歳の時、当時の上司であった整備班長ヒテシュ氏の推薦で実践呪術班所属の呪術師・サエグサの日常用義肢を担当することとなり打ち合わせに赴いたところ、外部呪術師による襲撃に巻き込まれる。機転を利かせたサエグサがナオザトの了解を得て彼を利用する形でこれを撃退したところ、彼女に惚れ込んだナオザトは自らサエグサの実戦用義肢の整備を申し出て、承認される。
以来ナオザトはサエグサ専属の義体技師として彼女をサポートしつつ、求婚を続けている。なお、求婚については常に却下され続けている。
甘党。ふわふわのパンケーキが好き。
だがしかし、それよりも好きなものは前述の呪術師・サエグサであり、当初の目的であった借金は既に返し終わったものの、彼女が““機関””に所属している限りは、彼も““機関””を離れることはないだろう。
身体を失うことを躊躇しないサエグサに違和感や悲しみ、憤りなどの複雑な感情を抱きながらも、無能力者であり守られる立場として誰よりサエグサの信条を理解し感謝しているため、口に出すことは滅多にせず、サエグサが常に全力で戦えるよう心身を削って彼女の義肢を完璧に整備している。
面倒見がよく、整備班員のみならず班外の人間にもかなり慕われているが、暇な時にたびたび訪れる追跡部隊のオフィスでは常に恋話をしたがる為ウザがられていたりする。
人と話したりどこかへ出かけたりと活動することが好きなので、休日には一人でキャンプに行ったかと思えばクラブで見知らぬ人間と談笑してたりする。顔が広い。
200kgあるフル装備のサエグサを持ち上げて運ぶことができる怪力の持ち主。
一人称は「オレ」
二人称は「お前」など。